台風一家

台風一家と久しぶりに会った。

街角でばったり会い、挨拶も早々に簡単な言葉を交わしただけで分かれてしまった。久しぶりの顔だったから、その後すぐ私は思い出をひっくりかえして広げて見ていた。始めて顔を合わせたのは小学生のころだっただろうか。思い返せば、私にとってはそのときが一番長く顔を合わせた時だと言うことになる。私の親などはもっと前から知り合っていたようなのだが、私に記憶にあるのはそのころである。当時から有名な人たちで、会ったらいつも早足であることもよく知られている。

そのあと、夏から秋にかけて、まれに秋から冬になることや梅雨の時期に、時折会うことがあった。いつも早足でなかなか言葉を交わす機会が無い、私自身が気付かないということもあって、会わない年もあるのだが、少し前までは毎年のように顔を見ていただろうか。

彼らを見た後は気付けば青空が広がっていて、雲がいつもより美しく見える。今度会うのはいつになるだろうか。来年の同じ頃なのだろうか。案外またすぐ顔を合わせるのかも知れない。